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朝食勉強会

朝食勉強会  2019年3月5日(火)の様子 2019年3月5日(火)に本年度第2回目の朝食勉強会が、シャングリラホテルにおいて開催されました。今回は、日本マイクロソフト株式会社にて業務執行役員を務められながら、プレゼンテーション・コミュニケーションにまつわる講演や研修を精力的に行い、2017年に株式会社「圓窓」を立ち上げられた澤円(さわ まどか)先生にご講演いただきました。澤先生は立教大学経済学部経済学科を1992年にご卒業後、生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年にマイクロソフト(現日本マイクロソフト)に転職。 情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャ、ポータル&コラボレーショングループマネージャ、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任され、 2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長に就任されました。 2015年2月、サイバークライムセンター 日本サテライトのセンター長も兼任、現在は日本マイクロソフト株式会社の業務執行役員に就役され、プレゼンテーションに関する講演を多数こなす傍ら、琉球大学客員教授及び数多くのベンチャー企業の顧問を務めていらっしゃいます。
数多くの執筆やプレゼンテーションに関する講演をされていらっしゃることから、非常にわかりやすく話に引き込まれるようなご講演となりました。

AI、IoT、XRとは

通常は理系出身者がエンジニアになりますが、自分の場合は経済学部ですので文系出身でエンジニアの道を志すことになりました。そのため様々な苦労を経験致しましたが、その経験が現在の「わかりやすく説明する能力」となったと思います。現在は、日本マイクロソフト株式会社の業務執行役員というサラリーマンでありながら、個人事業主でもあり、プレゼンテーションの仕方、アンガーマネジメント(いらいらや怒りを自ら管理し、適切な問題解決やコミュニケーションに結びつける心理技術)、テクノロジーの説明などの仕事をしております。特にプレゼンテーションの仕方は昨年287回行っており今年は300回を超えると思います。
さて、本日の公演は最新テクノロジーであるAI、IoT、XRとの付き合い方ですが、皆様の中には漠然と以下のような疑問を抱かれていると思います。

  • AIが進化したら、人類はどうなるんですか?
  • IoTって本当に安全なんですか?
  • VRやARってビジネスに役立つんですか?

初見ではとっつきにくい言葉ですが、分かりやすく説明していきたいと思います。もちろんフランクな勉強会としたいので、途中で質問していただいて構いません。
まず初めに皆様に「現在のNew York Times一週間分のデータ量=18世紀の人たちが一生のうちに出会う情報量である」という事実を紹介したいと思います。これは近年の高速の移動手段、通信が18世紀のそれと比較にならないほど発達しているということを示しています。このように情報があふれている現在においては、「世界に存在する全データのうち直近2年で生まれたデータの割合=90%」、つまり情報がずっと更新され続けている状態にあります。今後新しい通信方式である5Gの登場によりさらにこの割合は大きくなると考えられます。
また、データのStorage(保管されている場所)の7割がアメリカ、残り3割が中国となっています。さらに、オンライン上に存在するマネーの割合(仮想通貨除く)が93%となり、これは現金の流通量が7%しかないことを意味しています。したがってサイバー犯罪が起きやすくなり、お金を守ることが重要となっています。一例では、中国の都市部のコンビニの支払の67%がQR決済(ALIPAY+WECHAT)、22%がUnionPay(銀嶺カード)、残り11%が現金決済となっています。その他QR決済は、屋台での支払い、結婚式のご祝儀、物乞いの寄付まで広範囲にわたっています。一方日本では5割以上が現金決済となっており、これは先進国では異常に高い数値となっています。
QR決済が進むと、ありとあらゆるものがデータ化されます。例えばオンラインショッピングは、「コンテンツ」を買っているといわれます。皆様もネットで注文するときには、値段、口コミ、サイトが勧める他の製品などのデータを検討して買っていると思います。
今後全ての企業はテクノロジーカンパニーになると考えられます。つまりデータになっていなければこの世に存在しないものと考えられ(データドリブン)、データを基準に企業は判断し営業活動を行うようになります。紙とペンで仕事していると何が問題でしょうか?紙はその場所に行かないと情報を得られないため、そのための移動コストがかかります。一方、データにすることによってその場に移動しなくても情報を得ることができます。このように時間を削減することによって、企業や個人の行動がより早く効率的になります。

日経XTECHの木村岳史氏は時代を以下のように整理しています。

  • 80年代~90年代 コンピュータの時代(ハードウエアの時代)
  • 2000年代 ITの時代(ソフトウエアの時代)
  • 2010年代 デジタルの時代(データの時代)→デジタルトランスフォーメーション

80年代~90年代と2010年代の時価総額ランキング Top10を比較すると、この時代の区分けの証明になります。平成元年は日本企業7社(銀行、通信など100年以上歴史のある会社)がTop10を占めていました。この時代は付加価値を増やす企業、つまり1を100にする工夫が強い企業が世界を席巻していました。一方で、平成30年では、アメリカと中国の会社のみとなり、そのほとんどがIT企業、投資会社といったテクノロジーやデータを取り扱う企業、つまり0を1にするスピードの速い企業が世間を席巻しています。世の中は、「デジタルトランスフォーメーション待ったなし」の環境にあります。

AIの特徴

AIの特徴は人間のように画像および音を認識し、そのデータの相関関係が分析可能な点です。たとえば、写真に写っているものを全て文字化することができます。一例として写真の女性(澤先生の奥様)を顔認証ソフトにかけると「Young、Girl」などの特徴を文字化することができます。たとえ本人の風貌が変わっていても顔認証ソフトでは同一人物としてとらえられます。人間が実際に行う顔認証の誤認識は5%と言われており、現在のAI技術では3%を切るようになりました。よって、今までは人間が目視して行っていた仕事が自動化され、交通量調査のような仕事が将来無くなる可能性が高くなります。 また、画像だけでなく音も認識することができます。一例として、ドライブスルーの会話を聞いてみましょう。人間の耳では何をオーダーしているか聞き取れない部分があります。これを音認識ソフトに賭けると、音質の悪い音源でもオーダーを正確に識別することができ、さらにはデータ化されているため後からオプションで「ケチャップ無し」などの好みも最初のオーダーにさかのぼって適用し、当該正確なオーダーが調理場に自動で届く仕組みになっています。

IoT

IoTとはInternet of Tingsの略でモノがインターネット経由で通信することを意味し、Intelligent Cloud、Intelligent edgeともいわれます。言葉だけでは分かりにくいので、実際の例を見てみましょう。航空機エンジン製作会社であるロールスロイス社のIoT技術です。パイロットがフライト前にエンジンの調子をデータをみてフライトプランに反映させるシステムです。エンジンの各機能にセンサーを付けてデータ化し、そのデータをパイロットが即時に判断、整備時期の前倒しリクエスト等がPC上で全てオーダーすることができます。今までは紙でチェック、メカニックと協議、紙でオーダーという時間のかかる方法でしたが、IoTによって即座に整備リクエストをすることができ、飛行機の安全航行に役立っています。 もう一つ例を見てみましょう。これはある会社のエレベーター前の映像です。人が近づくとエレベーターが自動で開く仕組みになっています。人の歩く方向や筋肉、視線の動きをITが判断し、前もってエレベーターを呼ぶことができます。
これらの技術は、僻地での災害救助でも役立ちます。カメラやドローンで状況を認識し、車載サーバーで分析、洪水地域の映像で救援トラックの必要性、救助を求めている人数、修復が必要な場所を、画像を録るだけで判断することができます。

XR

XRとは、VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)という技術の総称です。実際にXR技術をデモンストレーションする前に今までのビジネスの流れを整理してみましょう。例えば病院の医師は、3D(触診)→2D(レントゲン、カルテ)→3D(治療)というステップを踏みます。この変換にリスクとコストが生じるのが現状です。これをXRでは全て3Dの世界にすることでリスクとコストを削減します。ではデモンストレーションします。ここにヘッドマウントコントローラー(約30万円)があります。このヘッドマウントコントローラーは画像造影とパソコンの機能を併せ持ち、目の舞にPCがあって指先で操作できることが従来の物との違いです。例えば、家具を買うときは店で現物を見て(3D)、それを写真に残し(2D)、実際に購入して部屋に置く(3D)というステップを踏みますが、このヘッドマウントコントローラーはそれをこの機械一つで一瞬にして行います。今見えているのはこの部屋の画像です。ここに実際の実寸大の家具を置いて大きさのシミュレーションができます。つまり、模型や設計図を作る時間とコストが削減でき、移動しないでスピーディーなビジネスを行うことができます。

機械ができない3つのこと

これまで最新技術について解説しましたが、機械では以下のことができません。

  • クリエイティブであること
  • リーダーシップを発揮すること
  • 起業家精神を持つこと

つまり、AI/IoT/XRなどの技術革新が進んでも、この3つが人間のみが行える仕事になります。言い換えれば、デジタルをもっと楽しく活用しながら、面白いもの、正解なんてない創造的なアイディアを、アンテナを立てて、いつだってスタートラインに立ちながら、常に何かを発信するようなビジネスの進め方が今後求められると思います。