活動報告

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第一回朝食勉強会


10月15日(金)に本年度第一回 朝食勉強会がペニンシュラホテルにて開催されました。 今回は「一生折れない自身の作り方」というタイトルでアチーブメント株式会社 代表取締役社長 青木仁志氏にご講演いただきました。冒頭のお話にでてきたのですが、青木氏のご子息は立教新座中学に通ってらっしゃるそうで、ご自身も教会に通うキリスト教信者だそうです。プロフィールに書かれていないところで立教との関係があるとのことで親しみのわく話でスタートしました。

今回の講演は15万部を売り上げた本と同じタイトルでお話をしていただきましたが、青木氏はその他にも「40代からの成功哲学」など43冊の著書を書かれており、ご自身の経験及び経営する会社が営業活動と人材教育コンサルティングというお立場から、どのようにすれば自信が持てるか、自信を持続することができるかとうお話と共に中小企業での人材育成についての考え方のお話となりました。以下は講演の概要です。

ご自身の経営するアチーブメント株式会社は今季28期目、ぜひこの先も長く続けていきたい。しかし、確率からいくと、日本の会社の99.87%は30年継続できないのです。ではどうやったら企業を持続できるのか? それには理念や方向性が大事だと思っています。実はアチーブメントは中堅300人以下の企業としてはまれらしいのですが大学生の就職希望企業の中で高いレベルに位置しています。そのアチーブメントは採用と教育研修が生業ですが、青木氏自身、この会社を世界最高峰の人材教育コンサルティング会社となるのを狙っています。それは、自信をもって採用をしてきた結果でもあります。繰り返しになりますが、自信をもつ事が非常に重要です。これまで、ブリタニカで営業としてトップの成績をとり、コンサルティング会社を経て32歳で創業。そして、何年も前に会社が25名しかいない時に16名の新卒を採用しています。それはやはり自信があったから。

その「自信」とは何か? 自信とは、結局各個人の解釈や思い込みではないかと思っています。逆に考えると、物事をやらない、進めないというのは自信がないから。その2つを分ける決め手は思い込みであり解釈です。事実と解釈は別物。事実は一つかもしれないが、解釈は多数ある。自分自身がどう解釈し何を大切に経営をしていくか、そういった土台が大事です。その土台が自信のもとになるのです。たとえば、立教の精神、ウィリアムズ主教の「道を伝えて己を伝えず」という考え方のような理念や信仰が土台となり、自分の支え、信念となるのです。自信がある、ないというのは根底に何を土台に持っているかではないかと考えます。そして、今だけが良いのではなく、これから先も良いことが大切な事です。

成功して物神両面が豊かな人というのは周りから必要とされていることではないか? そうでなければいけないと思っています。その考え方から、アチーブメントの場合には、社員に毎年多額の決算賞与を払っています。目的は全社員の物神両面を豊かにすること。その社員の活動を通じてお客様にも社会にも良い結果をもたらすこと。この顧客・社員・社会の三方を良くしていくことがアチーブメントの企業理念にも結びついています。会社には社員が必要だし、社員にとっても会社は自己実現の場であるべきです。その上で会社も個人も、思考と行為を一致させる、目的を立て計画し実施するというような事が大事なのです。経営者はオーケストラでいう指揮者にあたります。従って社員それぞれが上から働かされている、という意識を持っているようでは良くない。

人を指導する、あるいは上司として振舞う際に批判する、攻める、文句を言う、脅す、罰をあたえる、目先の褒美で釣るといった行動をとる人がいますが、このような事をすると人間活動に葛藤が増え、結果としては退職者がでてくることになります。逆に、人を褒め、相手から自分の願望を満たすのに必要だと思わせるということが心理的に効果があります。「勉強しなさい」というのも同じです。強制は良くない、だから人は強制されない「遊び」を選択してしまうんです。青木氏は実は仕事が好きなのでプライベートではなく、仕事で自己実現したいと思っているそうです。それでもいつかは会社を辞めるときがきます。その際には会社は同じ価値基準を持つ者に後継させたいと考えています。もちろん、リーダーシップのある人、そしてそれは同じように社員の物神両面を豊かにできる人に任せたいと思っています。

西洋の経営管理手法が日本の経営をダメにしていると思っています。なぜなら日本は村社会、仲間意識、チームワークが大事でありそれを無意識に実践しているから。西洋型の個人主義は自分のために頑張るというモチベーションは働くが、会社は自分の目的の手段と捉えるので、会社に対するロイヤリティは持たなくなってきます。大企業はともかく中小企業ではそうならないようにしないといけません。

人材=会社、企業は人です。ビジョンは金太郎飴のように誰が話しても同じでなければいけないが、個人と個性は100%尊重。アチーブメントではそう考えて実践しています。
譲らない価値観を持つこと、誰のために?何のために?そういう考え方や意識を失わないようにするのが大切です。そのためには目的を立て計画し実施する事、日々の活動をしっかりする事が必要になります。社員のために自己実現をきちんとさせることができないと会社に対する忠誠心がなくなっていってしまいます。
壁にぶつかった時に経営者の器がでてきます。例えば鬱になった時などです。その人を切るのか、是が非でも助けようとするか?人をいかに大切にするか、幸せにするか、それを追求していった結果、会社は社員の自己実現の場にすべきという点に行き着きました。

企業理念、ビジョンに共感するというのは大事な事です。中小企業であれば、経営者の考えが好きになっているかどうか?そこが重要です。どんなに優秀でも経営者の考えが好きでない人を採用してはいけません。また、社員には企業の一員として何をすれば活躍できるかを考えてもらうという事も必要です。

アチーブメントは日本経済新聞の人気企業ランキングにおいて、2012年は109位、サービス業としては15位、2013年は93位、サービス業で13位でした。これは名誉な事です。しかし、採用に対する信念は人一倍違うと思っています。採用活動には非常に多くを投資をしています。従って、200人に1人しか採用レベルに達しません。しかし大事なのは採用したところからはじまります。アチーブメントでは中途でトレーナーとして採用してもどんなに経験があっても、最初は営業をしてもらっています。それが嫌な人は採用しません。なぜなら、営業のトレーナーであればそれは営業が好きでなければならないですし、人に教える以上、好きな事はいつでもできるはずなので必要な事なのです。

部下が自分の価値観に合わないと思っている、あるいは上司の考えとは合わないと思っているとその社員のモチベーションは下がり、効率も下がります。それはその部下個人ではなく、組織として考えないといけない問題です。目標にしても、高すぎる目標ではなく小さな成功を積み重ねさせる、ビジョンに向かって動かさせる。結果的にそれが自信に繋がっていきます。
人生の目的目標をはっきりさせる、自分は今、何をすべきなのかを考える、そういった自分自身でセルフカウンセリングをしてみる事も大事。毎日毎日の達成度合いを確認することが次に繋がっていきます。

仕事でもプライベートでも、求めないものは手に入りません。同時に相手が何を求めているか、社員が何を求めているか、取引先、お客様が何を求めているか?セルフカウンセリングをぜひ実践しながら日々の活動を過ごしてください。

講師プロフィール

青木仁志

1955年3月北海道函館市生まれ。
10代からプロセールスの世界に入り、国際教育企業ブリタニカ、国内人財開発コンサルティング企業を経て1987年、32歳でアチーブメント株式会社を設立、代表取締役社長に就任。
自ら講師を務める公開講座『頂点への道』スタンダードコースは講座開講以来23年間で600回開催、新規受講生は28,816名を数える国内屈指の公開研修となっている。その他、研修講師として会社設立以来延べ321,509名の研修を担当。
2010年から3年間、法政大学大学院政策創造研究科客員教授として、講義「経営者論特講」を担当し、法政大学大学院 坂本光司教授が審査委員長を務める「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の審査委員も務めるなど、中小企業経営者教育に力を注いでいる。
著書は、15万部のベストセラーとなった「一生折れない自信のつくり方」をはじめ、「40代からの成功哲学」など43冊。うち10点が海外でも翻訳され刊行中。著者として、社団法人日本ペンクラブ正会員、国際ペン会員としても活動。