活動報告

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第2回 朝食勉強会


今回の朝食勉強会は、立教経済人倶楽部の立ち上がり時期からの関わりも深い、立教大学経済学部教授で金融論専攻の山口義行先生に、『アベノミクスに踊らされることなく、「市場創造に挑め」』をテーマとして、現在の金融システム上で展開されている政府政策の問題点、課題点や、企業経営者が今まさに取り組むべき考え方、戦略を明快に説いていただきました。
最初のお話では、日銀と金融機関の2つのお金の蛇口は同期したものではなく、日銀がいくら市場へのお金を増やそうとしても、金融機関側の施策が正しく行われない限り、お金は市場へは出てゆかない。結果、我が国の景気は決して良くはならな いということ、むしろ中小企業に代表される内需型企業では、今後の消費税増税も重なり、輸出型大 企業との格差がますます広がってゆくという懸念があると、鋭い論調で突いていただきました。
また次に、こうした政府政策・金融政策の抱える矛盾や厳しい状況の中で、『事業コンセプトの転換を図る』ことで全国トップクラスの預貸率を誇り、大躍進した某信用金庫の経営取組み事例を挙げていただき、経営者の戦略的視点を明確に指導いただきました。
某信用金庫は、「単なる金貸し業」から「事業創造支援業」に事業コンセプトを変換し、1,000人を 超える専門家による「情報提供」と「経営課題解決」に取り組み、企業、経営者に有用な人、情報のリソースを提供することで新たな資金需要を引出し、本来のお金の提供へ結びつけるというものでした。
その中で最も印象深かったのは、「失敗しても大丈夫。当行は決して逃げない。」という『安心』をお客様に提供することに注力したということです。結果、不良債権率は全国平均を大きく下回る( 半分以下)成果を出しているという事実。某信用金庫の事業コンセプトは、銀行が「人」と「情報」、そして「安心」を提供することで、本当の意味でお金が循環するということを示したベストプラクティスでした。 最後に山口先生の主宰される中小企業経営者のための「知的サポートネットワーク団体」”Small Sun(スモールサン)”のご紹介がありました。
《http://www.smallsun.jp/》
中小企業に必要な情報の提供を、専門家より提供するという活動を通じて、個々の企業の発展のみならず、中小企業の社会的地位の向上を目指しています。今回の某信用金庫 理事長へのインタビューを含め豊富な事例を紹介していますので、 是非皆さんもサイトにてご確認(※)くださいませ。
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~講師プロフィール~

山口義行

1951年愛知県生まれ。
立教大学経済学部教授金融論専攻 中小企業サポートネットワーク(スモールサン)主宰
スモールサン・エグゼクティブ・プロデューサー
経済学者として金融・経済に関する研究や政策提言を行う一方、スモールサン主宰として中小企業支援活動を続けている。外務省参与として中小企業の海外進出支援に関わるほか、関東経済産業局「新連携支援」政策の事業評価委員長として中小企業の連携支援政策に携わっている。
TV、ラジオ等でのコメンテーターおよび執筆等多数あり。