活動報告

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朝食勉強会


10月29日(水)、ザ・ペニンシュラ東京で朝食勉強会を開催させていただきました。 今回は元外務事務次官の谷内正太郎様を講師にお招きし「最近の日本外交の課題~アジアを中心に~」というテーマでお話いただきました。 谷内様は麻生首相が外務大臣時代に事務次官をお勤めになられています。まず始めに麻生首相の外交に対する基本姿勢をお話いただき、その後、小泉、安倍、福田政権時の外交の特色、主要国との関係をいろいろなエピソードを交えながらお話いただきました。
麻生首相の外交に対する基本姿勢については(今でもお電話でお話されることがあるそうです)、(1)戦略的思考、(2)柔軟な現実主義、(3)「noblesse oblige」(高貴な義務)、の3つで表現されるということです。
経営者としての感覚を持っているため、外交に対しても費用対効果を重視されること(インド洋での自衛隊の油の補給活動は評判が高い割に安いそうです)、イギリスの貴族(特権はあるが戦争になったら真っ先に戦場へ出向き自らを犠牲にする)のように私利私欲ではなく、国益のために先頭に立って外交するとご説明いただきました。
また小泉首相時代では、ブッシュ大統領との相性が良かったことや、プーチン大統領とはなかなかうまくいかなかったことを、エピソードを添えてお話いただきました。
ブッシュ大統領との初めての面談の際には、映画「真昼の決闘」のゲーリー・クーパーのようだと称えたことや、柔道好きのプーチン大統領にチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の話をしたのに全く会話が弾まなかったことをそれぞれの象徴としてお話いただきました。小泉首相(当時)はとにかくお話が上手だったそうです。
主要国との関係で特に中国との関係は良好になってきているということですが、オリンピックでは、行進時に日本選手団のみ中国と日本両国の国旗を持って行進したことや、男子マラソンの佐藤選手が先頭から大幅に遅れてゴールした後に、スタジアム四方に対しお辞儀をしたことが、中国人に好印象を与えたとのことです。
また、四川大地震の救援活動に向かった日本の援助隊が遺体に対して黙祷を行ったことも日本に対する印象を良くしたそうです。
まだまだたくさんお話いただきましたが、政治についての新聞、テレビなどから伝わって来ない、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。
また今回は会場をいつもの第一ホテルからペニンシュラに変更させていただきました。ご参加いただいた皆様からは、好評を多数いただきました。食事もさることながら、会場の目新しさが良かったのかと思います。次回以降も会場選びから考えて参りたいと思います。